コラム

5. 税金の届出をしよう

会社が設立できたら、さっそく税金に関する届出をしましょう。サラリーマンの方などは会社に対する年末調整で完結するなど、税金のことをあまり意識する機会がなかったかもしれません。しかし会社を経営する上では税金は非常に重要です。最低限必要な手続きだけでなく、きちんと届出をすれば税金を抑えられる制度もありますので、特に会社を設立てすぐの段階で適切な届出をしていく必要があります。

 

1. 税金の種類と役所の名前

ひとくちに税金といっても、管轄する役所(税務署、都道府県税事務所、市区町村)や税金の種類(法人税、消費税、源泉所得税など)が複数あります。その関係を概観すると、次のとおりです。

  • 税金
    • 国税→税務署
      • 法人税
      • 源泉所得税
      • 消費税
    • 地方税
      • 都道府県→都税事務所
        • 法人都民税
        • 法人事業税
      • 市町村→市役所
        • 法人市民税
        • 償却資産税

 

2. 会社を設立したことを届け出よう

法人設立届出書(税務署、都税事務所、市町村)

会社を設立したら、税務署、都道府県税事務所、市役所などの管轄各所に届け出る必要があります。届出書には定款、設立時貸借対照表、株主名簿などを添付します。

 

3. 給与を支払うなら届け出よう

給与支払事務所等の開設届出書(税務署)

役員報酬や従業員給与を支払う会社は、支払い時に源泉所得税を天引きして税務署に納める義務(源泉徴収義務)があります。新たに源泉徴収義務者が誕生したことをこの届出書で所轄の税務署に届け出る必要があります。

 

4. 節税メリットを受けるために届け出よう

青色申告の承認申請書(税務署)

会計帳簿を複式簿記のルールに従って作成し、きちんと保存している会社は、節税のメリットを受けられる「青色申告者」となることができます。具体的な特典としては主に次の制度があります。

  • 欠損金の繰越控除ができる(ある期の赤字を翌期以降の黒字と相殺して税金を減らす効果)
  • 30万円未満の少額減価償却資産を一括で経費処理できる
  • 一定の機械装置・車両などを取得した場合、購入金額の一定割合(7%~10%)を税金から控除する

 

5. 事務効率化のために届け出よう

源泉所得税の納期の特例の承認申請書(税務署)

給与や外部専門家などに報酬を支払う際に天引きした源泉所得税は、その給与等を支払った月の翌月10日までに税務署に納付する必要があります。ただ、常時給与を支払うのが10名に満たない小さい会社にとって毎月納付するのは手間だろうから、半年ごとにまとめて納付すること(1月~6月分を7月10日、7月~12月分を翌年の1月20日に納付)を認めるための手続きになります。提出した次の月から有効になるので、提出した月に天引きした源泉所得税までは原則通り翌月10日までに納付する必要がある点はご注意ください。

 

申告期限の延長の特例の申請書(税務署)
申告書の提出期限の延長の処分等の届出書・承認等の申請書(都税事務所)
法人等異動届出書(市町村)

法人税等の申告・納付期限は期末から2か月以内が原則です。しかし、定款で株主総会を期末から3か月以内に開催すると定めている場合などやむを得ない事情があるときには、法人税等の申告期限を1か月延長することができます(株主総会で決算書を承認し、その決算書に基づき税務申告をするという流れのため)。ただし、申告期限が期末から3か月に延長されても納期限(期末から2か月)は延長されませんので、2か月を過ぎた分の税金には延滞金がかかります。そのため、実務上は原則どおりの申告期限(2か月)でいったん概算額を納付し、延長した申告期限(3か月)で確定額との差額を納付することで、延滞金の影響をできるだけ最小化しておくことになります。

 

e-Tax 開始届出(オンライン)
eLTAX 利用届出(オンライン)

電子申告・電子納付をするための利用者情報(ID、パスワード)を発行してもらうための届出です。e-Taxは国税、eLTAXは地方税のシステムです。

 

年末調整申告書の電磁的方法による提供の承認申請書(税務署)

年末調整のときに社員の皆さんに書いてもらう書類の代わりに、クラウドの人事労務ソフト(SmartHR、マネーフォワード クラウド給与など)のWeb画面で入力されたデータで良しとするための手続きです。当面そうしたサービスを使う予定ではなくても、将来的に使うことになったときに備えて早めに提出しておくようにしています。

 

 

タイトル:ブラックジャックによろしく 著作者名:佐藤秀峰