コラム

7. 社会保険の届出をしよう

会社を設立したときは、たとえ代表取締役1名だけの会社であっても、報酬が支払われる以上は社会保険への加入が必須になります。ここでは、会社を設立したときの社会保険について説明します。

 

社会保険とは

会社に勤める人の社会保険は、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3種類があります(雇用保険、労災保険を加えて広義の社会保険という場合もあります)。

「健康保険」とは、病気やケガで治療を受けるときや、それにより働くことができなくなり休業した場合、出産・志望などの事態が発生した場合に保険給付を受けることができる公的な医療保険制度です。

「介護保険」は、介護が必要になった人を社会全体で支える仕組みとして、40歳から64歳までの人が健康保険と一緒に徴収されます。

「厚生年金保険」とは、65歳以上など一定年齢に達したあとや障害が生じたあと、被保険者が死亡したあと(この場合は遺族に支給されます)に定期的・継続的に金銭が支給される制度です。国民全員が加入している国民年金に上乗せする形で、自身の報酬に比例した年金が支給されることになります。

保険料は標準報酬月額と呼ばれる給与支給予定額に応じて決まり、それを本人と会社が半分ずつ負担します(実際には従業員の給与から本人負担分を天引きし、会社負担分と合わせた保険料総額を会社が納付します)。

なお健康保険の運用者には、政府が管掌する「全国健康保険協会」(通称「協会けんぽ」)や、企業独自や同業者同士で設立した「健康保険組合」等があります。健康保険組合は協会けんぽに比べて一般的に保険料率が低く、付加給付などがあるため恩恵が大きいのですが、各健保組合ごとに加入基準がありますので、創業後はまず協会けんぽに入り、業界別健保組合の加入要件を満たした段階で移行することになります。

 

社会保険に加入する人とは

従業員の人数が500人以下の場合、次のいずれにも該当する場合に社会保険の被保険者となります。パート社員等、正社員以外の者も含まれますが、昼間部の学生は原則として対象外となります。

  1. 2ヶ月を超えて引き続き雇用される見込みがある。
  2. 所定労働時間が正社員等の3/4(週30時間など)以上である。

法人であれば、代表取締役1人であっても、報酬が払われていれば必ず加入しなければなりません。ただし、非常勤役員については、勤務の実態等を鑑みて適用外となることもあります。

 

会社は社会保険に加入する義務がある

社会保険は、法人として会社を設立すると強制適用になります。法人の事業所であれば、従業員の有無や人数の多寡に関係なく、また加入したい会社だけ加入するというような事業主や従業員の加入の意思とは関係なく、強制的に加入しなければなりません。

 

社会保険の加入手続き

「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」に次の書類を添付して、会社所在地を管轄する日本年金機構の事務センターに提出します。

  • 法人の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の原本
  • 法人番号指定通知書等のコピー(国税庁法人番号公表サイトの画面を印刷したものでも可)

この手続きはあくまでも会社が社会保険の適用を受けるための手続きですので、これとは別に各従業員ごとの社会保険への加入手続きも必要になります。

 

保険料の納付方法

健康保険・厚生年金保険の保険料は、毎月、当月分を翌月末日までに納付します。納付方法としては主に次の3つ。

  1. 毎月郵送されてくる納付書を銀行窓口に持参して納付
  2. 毎月郵送されてくる納付書に記載されている番号を入力してオンラインバンク(ペイジー)で納付
  3. 銀行口座からの口座振替

このうち1.と2.は日本年金機構から郵送されてくる納付書が必要になりますが、毎月20日頃の発送なので、月末の納付期限の直前にならないと受け取れません。銀行窓口まで赴いたり、オンラインバンクでの作業を毎月処理するのも手間ですので、可能な限り3.の口座振替をお勧めしています。ただし、ネット系銀行など一部の金融機関では社会保険料の口座振替に対応していないので、銀行口座を開設する際にはご注意ください。

(銀行口座の選び方についてはこちらの記事をご覧ください)