コラム

9. 銀行口座を開設しよう

「会社名義の預金口座、どの銀行がいいんですか?」とよく聞かれます。

銀行のイメージや支店との距離、借入れのしやすさなど様々な考え方がありますが、オンラインバンキングが普及している現在においては「銀行の窓口に行く回数をどれだけ減らせるか」「振込をどれだけ効率化できるか」の2つを重視し、以下の点を考慮してお勧めしています。

  • 総合振込の使いやすさ(csvインポート機能の有無)
  • 社会保険の口座振替ができるか
  • 個人住民税(特別徴収)に対応しているか
  • 国税に対応しているか(納付・還付)

 

1. 総合振込の使いやすさ

総合振込とは、複数の支払をまとめて振込む方法です。

毎月の支払いが数件のうちは1件1件のデータ作成・承認でも対応できますが、10件、20件もの振込を1件ずつ承認するのは承認者にとって大変です。そのため、まずは1回で何十件もの振込を承認できる総合振込に対応しているかどうか、というのが最低限のポイントになります。

そして、振込データの作成でcsvデータをインポートできるかどうかというのも重要です。csvの形式としては全国銀行協会連合会が定めた統一フォーマットの「全銀データ」と、より簡略化した各銀行独自のcsvがあります。私たちの「支払代行サービス」では受領した請求書から全銀データのcsvファイルを効率的に生成できるフローを構築していますので、全銀データを扱えるかどうか、というのもポイントになります。

 

2. 社会保険の口座振替ができるか

会社は社会保険の加入が必須で社会保険料を毎月納付することになりますが、納付方法には次の3種類があります。

①銀行預金からの口座振替(お勧め!)

納付期限に自動で口座から引き落とされる方法です。

最初の手続きを済ませてしまえば(預金残高がある限り)毎月自動的に引き落としてくれますので、最も手間のかからない納付方法としてお勧めしています。

ただ一部の銀行では口座振替に対応していないので、社会保険料の口座振替に対応しているかどうかが銀行口座を選ぶ際の重要なポイントになります。

②Pay-easy (ペイジー)納付

年金事務所から毎月郵送されてくる納付書に記載されている番号を、ペイジー対応のATMやオンラインバンキングで入力して納付する方法です。

一部の銀行ではペイジーに対応していないほか、毎月納付の手続きをしなければなりません。また、毎月20日頃に発送される納付書を末日までに納付しなければならず、会社移転等で納付書の受領が遅れた場合、納付までほとんど時間がない場合もあります。

このように、安定性に欠けるためできれば避けたい納付方法です。

③銀行窓口での納付

年金事務所から毎月郵送されてくる納付書と納付依頼書(銀行印を押印)を、銀行の窓口に持参する方法です。

納付依頼書に記入・押印する手間、銀行に行って順番待ちをしなければならない時間を考えると、最も避けなければならない納付方法です。また、②と同じく納付書を受け取ってから納付するまでの時間がほとんどない場合もありますので、そういった面でも避けるべき納付方法です。

 

3. 個人住民税(特別徴収)に対応しているか

会社は従業員の給料から住民税を天引きして毎月10日に納付しますが、この納付方法には次の4種類があります。

①eLTAXによるダイレクト納付(お勧め!)

eLTAX(地方税のオンライン申告・納付システム)で手続きをすることで、事前に登録した銀行口座からの引き落としができる方法です。

csvアップロードで効率的に処理ができ、オンラインバンクへのログインも不要(=処理する人にログイン情報を伝えなくて済むので安全)、ペイジーと違いすべての市区町村が対応している、そして無料とメリットが目白押しです。

ただ一部の銀行はダイレクト納付に対応していないので、地方税のダイレクト納付に対応しているかどうかが銀行口座を選ぶ時のポイントになります。

②各銀行のオンライン地方税納付サービス

各銀行がオンラインバンキングの機能として個別に提供している、個人住民税(特別徴収)の納付サービスです。

オンラインバンキングで処理できるので便利なのですが、このサービスを使えるのは料金の高いプランだけだったりと費用がかかるのが難点です。

③Pay-easy(ペイジー)納付

住民税納付先の市区町村にペイジー納付書の発行を依頼し、その納付書に記載されている番号をペイジー対応のATMやオンラインバンキングで入力して納付する方法です。

一部の銀行ではペイジーに対応していないほか、納付先の市区町村でもペイジーに対応していないところがそこそこあり、安定性に欠けることから避けたい納付方法です。

④銀行窓口での納付

住民税納付先の市区町村から送られてくる納付書の束のうち当月分を切り取って集計し、銀行の納付依頼書(銀行印)と共に銀行の窓口に持参する方法です。

納付書の枚数や金額の集計ミス、銀行の納付依頼書に記入・押印する手間、わざわざ銀行に行って順番待ちをしなければならない時間を考えると、最も避けなければならない納付方法です。

 

4. 国税に対応しているか(特に還付)

国税の納付も個人住民税(特別徴収)と同じくダイレクト納付が便利ですが、一部の金融機関は対応しておらず、年1、2回しか発生しない銀行の窓口に行くのもやむを得ないと優先順位は下がるかもしれません。

しかし、大事なのは国税の還付金を受け取れる銀行口座かどうかです。

赤字の会社は法人税を納付しなくて良いだけでなく、預金利息から源泉徴収されていた税金が還付されることになります。このケースは設立当初の会社にはよくあることで、還付金の受取口座として指定できない銀行も一部ありますので、国税還付金の受取ができるかどうかというのも銀行選びのポイントです。

 

結局、どの銀行が良いの?

2019年11月現在、今年の春からサービスを開始して手数料無料キャンペーン中のゆうちょ銀行の「ゆうちょBizダイレクト」エキスパートプランが最強ではないかと。上記1~4でお勧めする方法すべてに対応していながら、2022年3月31日までは契約料金・月額料金が無料ですので。

なお、上記1~4をひとつの銀行で満たしているのが理想ですが、freeeとジャパンネット銀行の振込連携機能など使いたい機能がある場合もありますので、会社の意向を踏まえて2つの銀行を組み合わせるのも良いかもしれません。

 

 

 

タイトル:ブラックジャックによろしく 著作者名:佐藤秀峰