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KNOWLEDGE / 04-04

会社が「代理」で納める税金とは?

会社が納める税金には、法人税や消費税のように会社自身が負担するものだけでなく、従業員や取引先から税金を預かり、本人に代わって納めるものがあります。

代表的なのが、

源泉所得税
個人住民税

です。

これらは会社自身の税金ではありませんが、徴収や納付の手続きを行うのは会社です。

特に源泉所得税は、徴収漏れがあった場合の責任も会社が負うため、正しい理解が必要です。

01

給与や報酬から預かる「源泉所得税」

会社が従業員に給与を支払う場合には、所得税をあらかじめ給与から差し引き、本人に代わって国へ納付します。

これを源泉徴収といいます。

また、源泉徴収が必要なのは給与だけではありません。

個人の税理士などの士業や、デザイナー、ライターなど一定の外注先へ報酬を支払う場合にも、会社が報酬から源泉所得税を差し引いて納付する必要があります。

原則として、預かった源泉所得税は給与や報酬を支払った月の翌月10日までに納付します。

一定の要件を満たす会社は、「納期の特例」の適用を受けることで、給与等に係る源泉所得税の納付を年2回にまとめることもできます。

02

源泉徴収の判断と納付の責任は「会社」にある

源泉所得税で特に重要なのが、誰が責任を負うのかという点です。

源泉所得税を徴収して国へ納める義務は、報酬を受け取る側ではなく、支払う側である会社にあります。

そのため、源泉徴収すべき支払いについて会社が徴収を忘れた場合でも、

「相手が請求書に源泉所得税を書いていなかった」

という理由で会社の責任がなくなるわけではありません。

徴収漏れが税務調査などで判明すれば、本来納付すべきだった源泉所得税に加えて、不納付加算税や延滞税などが発生する可能性があります。

したがって、会社側で、

「この支払いは源泉徴収が必要か」

を判断する必要があります。

03

請求書に源泉所得税の記載がなくても確認する

実務では、外注先から届いた請求書に源泉所得税が記載されていないことがあります。

しかし、請求書に記載がないからといって、源泉徴収が不要とは限りません。

原稿料、デザイン料、専門家への報酬など、法律上、源泉徴収の対象となる報酬に該当する場合には、会社側で源泉所得税を差し引いて支払う必要があります。

特に個人事業主やフリーランスとの取引では、相手方が源泉徴収の取扱いを正しく把握していないケースもあります。

請求書の記載だけに頼らず、会社側で支払内容を確認する仕組みを作っておくことが重要です。

04

従業員から預かる「個人住民税」

会社が従業員から預かって納めるもう一つの代表的な税金が、個人住民税です。

会社が従業員の給与から住民税を差し引き、本人に代わって市区町村へ納付する仕組みを「特別徴収」といいます。

住民税は、原則として前年1月から12月までの所得に対する税額を、翌年6月から翌々年5月までの12回に分けて納付します。

会社は毎月の給与から住民税を差し引き、原則として翌月10日までに各市区町村へ納付します。

05

住民税は「1月1日時点」の住所が基準

個人住民税の納付先は、従業員がその年の1月1日時点で住民登録をしていた市区町村です。

そのため、1月2日以降に別の市区町村へ引っ越したとしても、その年度の納付先は変わりません。

また、中途採用などで入社した従業員については、必要に応じて普通徴収から特別徴収へ切り替える手続きを行います。

翌年以降は、おおむね次の流れが毎年繰り返されます。

1月末まで
会社が給与支払報告書を各従業員の市区町村へ提出

5月ごろ
市区町村から会社へ新年度の税額通知

6月以降
新しい税額で給与からの天引きと納付を開始

給与計算を行ううえでも、この年間スケジュールを把握しておく必要があります。

TAX ACCOUNTANT'S ADVICE

税理士からのアドバイス

01

源泉所得税は「請求書任せ」にしない

源泉所得税について最も注意したいのは、徴収の要否を判断する責任が会社側にあることです。

外注先からの請求書に源泉所得税が記載されていても、それが正しいとは限りません。反対に、何も記載されていなくても源泉徴収が必要な場合があります。

そのため、個人への報酬を支払う際には、請求書をそのまま処理するのではなく、

「誰に、何の対価として支払うのか」

を確認し、源泉徴収の対象となる報酬かどうかを会社側で判断する必要があります。

支払業務の段階でチェックできる仕組みを作っておくことが、徴収漏れを防ぐうえで重要です。

02

住民税は「1年遅れ」で発生する

個人住民税は、前年の所得をもとに翌年の税額が決まるため、「1年遅れでやってくる」のが特徴です。

そのため、新卒採用者や前年に所得がなかった従業員では、入社1年目に住民税の天引きがなく、翌年6月から初めて発生することがあります。

この場合、2年目の6月から給与の手取り額が急に減ることになります。

従業員から見ると、

「給与は変わっていないのに、なぜ手取りが減ったのか」

と感じやすいところです。

あらかじめ住民税の仕組みを説明しておくことで、給与計算に関する余計な問い合わせやトラブルを防ぐことができます。

次の記事では、これまでの分類には入らない固定資産税、印紙税などの「その他の税金」について整理します。

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