営業キャッシュフロー|本業でどれだけお金を生み出したか
営業キャッシュフロー(営業CF)は、会社の本業によって生じた現金の増減です。
商品・サービスの代金回収、仕入代金や外注費、給与、家賃などの日常的な事業活動による入出金が関係します。
営業キャッシュフローを見ると、会社が本業によってどれだけ現金を生み出しているかが分かります。
基本的には継続してプラスになっていることが望ましい状態ですが、利益が出ていても営業CFがマイナスなら、売掛金の回収や在庫の増加など、その原因を確認する必要があります。
投資キャッシュフロー|将来のためにいくら投資したか
投資キャッシュフロー(投資CF)は、設備投資などによる現金の増減です。
機械や車両、店舗・事務所設備、システム、土地・建物などの取得や、保有していた固定資産の売却などが該当します。
成長する会社では将来の売上や利益を増やすために設備投資が必要になるため、投資CFがマイナスだからといって、必ずしも悪い状態ではありません。
重要なのは、何に投資し、その投資によって将来どのような収益を生み出そうとしているのかです。
財務キャッシュフロー|どうやって資金を調達・返済したか
財務キャッシュフロー(財務CF)は、資金調達や返済による現金の増減です。
銀行からの借入れ、借入金の元本返済、増資による資金調達、配当金の支払いなどが該当します。
銀行から1,000万円を借りれば預金残高は増えますが、本業で1,000万円を稼いだわけではありません。反対に、借入金の元本返済では現金は減りますが、元本は費用ではありません。
このような損益計算書だけでは分からない資金調達と返済の動きを見るのが財務CFです。
3つを組み合わせると会社のお金の動きが見える
例えば、営業CF +1,000万円/投資CF ▲600万円/財務CF ▲200万円だったとします。
この会社は、本業で1,000万円の現金を生み出し、600万円を設備投資へ使い、さらに200万円を借入金の返済などに使ったと見ることができます。
3つを合計すると+200万円ですから、会社全体では現金が200万円増えています。
単に「預金が200万円増えた」と見るよりも、会社がどのように現金を生み出し、何に使ったのかがよく分かります。
預金が増えていても安心とは限らない
反対に、営業CF ▲500万円/投資CF ▲200万円/財務CF +1,000万円なら、合計では現金が300万円増えています。
しかし、その内訳を見ると、本業では500万円の現金が流出し、さらに200万円の投資を行い、それを1,000万円の資金調達で補っています。
つまり、預金が増えた理由は本業で稼いだからではなく、外部から資金を調達したからです。
借入れ自体が悪いわけではありませんが、その現金がどこから入ってきたのかを見ることが重要です。
投資CF・財務CFはプラス・マイナスだけで評価しない
営業CFは、本業で現金を生み出しているという意味で、基本的にはプラスが望ましいと考えられます。
一方、投資CFと財務CFは、単純にプラスなら良い、マイナスなら悪いとはいえません。
投資CFがマイナスなのは積極的な設備投資の結果かもしれず、財務CFがマイナスなのは本業で生み出した資金で借入返済を進めている結果かもしれません。
重要なのは符号ではなく、「なぜそのキャッシュフローになったのか」です。
キャッシュフローを見るだけでは将来の資金不足は分からない
3つのキャッシュフローに分けると、会社のお金がどこから入り、何に使われたのかが分かります。
ただし、ここで分かるのは基本的には「これまでにお金がどう動いたか」です。
経営でより重要なのは「これからお金がどう動くのか」を把握することです。
そこで必要になるのが、将来の入金と支払いを予定表にして、預金残高がどのように推移するかを予測する「資金繰り表」です。次の記事では、この基本的な考え方を説明します。