会社は「株主」と「役員」で成り立っている
株式会社は、株主がお金を出資し、その会社の経営を役員に任せる仕組みになっています。
簡単にいえば、
株主=会社にお金を出し、経営を任せる人
役員=株主から経営を任され、実際に会社を運営する人
という関係です。
株主は資本金を出資し、役員を選任します。
役員は、その資金を使って事業を行い、利益を生み出すことを目指します。
そして事業年度が終われば、役員は一年間の経営の成果をまとめ、株主に報告します。
このように、株式会社は本来、「会社を所有する人」と「会社を経営する人」を分けて考える仕組みになっています。
一人会社でも「株主」と「役員」は別の立場
もっとも、創業したばかりの会社では、
100%株主=代表取締役
というケースも珍しくありません。
つまり、会社にお金を出した人と、その会社を経営する人が同じです。
この場合、日常的には「株主としての自分」と「社長としての自分」を意識することはほとんどないでしょう。
しかし、会社の仕組みとしては、この二つの立場は区別されています。
例えば、役員を選任するのは「株主」です。
一方、選任された役員として会社を経営するのは「役員」です。
同じ人であっても、
株主として会社の重要事項を決める
ことと、
役員として会社を経営する
ことは別の行為なのです。
一人会社だからといって、この基本的な仕組みそのものがなくなるわけではありません。
株主総会は会社の重要事項を決める場所
株主が会社としての意思決定を行うための重要な場が、株主総会です。
役員は一年間会社を経営し、事業年度が終わると、その成果を計算書類などにまとめて株主へ報告します。
そして株主は、その内容を確認し、必要な事項について意思決定を行います。
つまり株主総会は、単なる形式的な会議ではなく、
「役員が行った経営について、株主として会社の意思を決定する場」
と考えると分かりやすいでしょう。
自分一人しか株主がいない会社では、実際に大人数が会議室へ集まるわけではありません。
それでも、会社として何を決めたのかを明確にするという株主総会の役割は変わりません。
会社運営には一年のサイクルがある
株式会社の運営を大きく見ると、次のようなサイクルで進んでいきます。
① 出資と委託
株主が資本金を出し、役員を選任して経営を任せる。
② 経営の実行
役員が事業を行う。
③ 報告と承認
年度末を迎えたら、役員が経営の成果を株主へ報告する。
④ 分配と還元
承認された利益に基づいて、納税や配当を行う。
⑤ 再選任
役員の任期に応じて、引き続き経営を任せるのか、役員を交代するのかを決める。
そして、また次の事業年度の経営へ進んでいきます。
毎年決算を行うことと株主総会を行うことは、別々のイベントではありません。
「一年間会社を経営し、その結果をまとめ、株主として必要な意思決定をして、次の一年へ進む」
という会社運営の一連のサイクルとして考えると理解しやすくなります。
会社が成長すると株主総会の意味がより分かりやすくなる
創業者が100%株式を持っている間は、株主と経営者が同じなので、こうした区別は形式的に感じるかもしれません。
しかし、会社が成長し、外部の投資家から資金調達をすると状況は変わります。
創業者以外の株主が会社に入れば、
「会社を経営する役員」
と
「会社に出資している株主」
が実際に別の人になります。
そうなれば、役員が会社をどのように経営し、その結果どうなったのかを株主へ報告し、必要な意思決定を正式な手続きで行う意味がより明確になります。
一人会社の段階から株主と役員の違いを理解しておくことは、会社が成長したときの適切な会社運営にもつながります。